ドリフェスを半分しか知らなかった男が武道館に行ったら

10/20, 21 日本武道館


今年、プライベッターの方で2件ほどのお下劣レポートしか書いていなかった僕が書く新しいレポート。それは、2018年10月21日をもって、プロジェクトが終了する「ドリフェス!」のライブについてです。

ただ、今回はライブがどうだったか、というよりは、ドリフェスを知ってから武道館に至るまでの、僕の心の動きをまとめるのが中心となります。(ライブレポは書ききれないほどたくさん書きたいことがあって時間が足りないので……)


この書き始まりで(むしろドリフェスのレポートに私情持ち込むなよ、って話ですが)御察しの通り、僕は男です。ただ、男性向け、女性向けのコンテンツは特に気にせず摂取するタイプなので、ドリフェスを勧められた時に抵抗はありませんでした。


そもそも、僕がドリフェスを知ったのは今年3月のこと。フォロワーさんに、「ドリフェス1期をみよう」と誘われ、ノコノコとパセラに出向いたのが始まりでした。


昔からホビアニが好きで、赤い髪の毛の主人公が誰になんと言われようと大好きで、そんな僕に「アニメとして」ドリフェスはあっさりと刺さりました。


奏くんマジ主人公。みんなをどんどん絆して行く主人公力マジ主人公。そう思いません?見た人ならわかりますよね?


もちろん、慎くん、純哉くん、いっちゃん、ちづも好きです。みんなそれぞれ個性が出てて大好きです。エピソード的には、いっちゃんがアイドル活動と学校(進学)の両立に苦しんでる回が好きでした。ちょうど欅坂46を応援している最中で、実際に進学を視野に活動を休止したり、勉学に励むため卒業を決めたメンバーもいたので、いっちゃんの葛藤はリアルでした。


その後、またそのフォロワーさんに誘われて、今度は2期(ドリフェスR)を一気見したんですが、今度は勇人くんの推しみが強くなりまして……。ショタコンとしては子供時代の勇人くんがなかなか良いショタだったなと思いつつ……。最初はまだアイドルのオーラが出ていなかった彼が、2期になってアイドルとしてファンを魅了してくれるようになる瞬間が愛おしくてたまりませんでした。(もちろん圭吾くんがいたから勇人くんはアイドルになれたんだし、圭吾くんがアイドルとしての覚悟を最初から見せてたからこそ、2期でKUROFUNEはDear Dreamに負けないアイドルになれたわけで)


この時点でドリフェスという作品への熱意は高まっていました。7月にVRライブに参加した時はちづのファンサに心打たれ、武道館の前にバトライのBDを見る機会があり、そのライブが熱くて何回も見返して……。


ただ、心のどこかで僕は、「2次元」としてのドリフェスは好きで、「3次元」としてのドリフェスを、まだ完全に好きではなかったんだろうなと、今なら思います。

ラジオとか、インターネット配信とか、やってるのはわかりながら仕事が忙しい、と理由つけて見ていなかったんですが、僕の場合は3次元で活動するキャストの方々に対して、まだ思い入れみたいなものがなかったのが大きいのかなと。改めて考えると、ドリフェスは良くも悪くも「どっちも好きになれる」土壌があって、裏を返すと「どっちかしか好きになれない」と少し辛いコンテンツな気がしました。幸い、僕は「2次元のドリフェスの方が好き」というだけで、3次元がてんでダメというわけではなかったので、武道館へ行くことが出来たのかもしれませんが。ただ、「3次元の方も好きにならないといけない」使命感みたいなものは、どこかに感じていたのかもしれません。


そして、ついに迎えたライブ当日……の前の、前日物販。もともと行くつもりはなかったのに、会社からダッシュで九段下へ……。

ですが、僕がついた頃にはもう……何も買えない状態でした笑

その時、ドリフェスってこんなに愛されてるコンテンツなのに終わっちゃうのか、と思っていました。武道館の土日を抑えて、前日物販も人がたくさん並んでいて、絶対たくさんファンがいるじゃん!と思うのですが、その時の僕は、これが(今の段階では)最後のライブである、という実感はありませんでした。


20日

生まれて初めて、朝早くから物販(僕はCD物販の方ですが)に並びました。寒かった、すごく寒かった。

そのあと、ファンの方や関係者の方から届いていたお花を見ていたんですが……。

なんか、みんなドリフェス大好きすぎでしょ!って言いたくなりました。

DD/KFのメンバー14人全員のイラストを描いてらっしゃるものがたくさんあり、また、キャラ/キャスト推しの方のお花も、大体はキャラとキャストの2人かイラストで描かれていて……。僕が見る限り、アニメのキャラだけ、キャストの方だけの花は届いてなかったと思います。

ドリフェス愛の詰まったそれらは、ホントに美しくて、自分がもらう側だったら絶対泣いちゃいます。それが数えきれないほど届いてるんですよ?日本だけでなく中国や台湾から届いているものもあったり、アプリでしか見れなかったルーキー達向けにも届いてたり……。

この時点でもう心震えてました。ですが、もちろんこれは始まってもないんです。


初日、僕はアリーナの前から4列目、それもA7ブロックと、ほぼほぼキャストの皆さんを間近に見れる位置を獲得していました。

周りは一目見ただけで、百戦錬磨のファンだということがわかる人たちばかり。そこに半年程度しかドリフェスに触れてない自分がいて、最初は緊張していました。


しかし、それは杞憂でした。幕が上がり、DD/KFの面々が登場した時(厳密にはその前に流れたOPアニメーションの時点で)、テンションはすぐにMAXになりました。

初めて自分が買ったドリカ型ペンライトでエールを贈ったんですよ!!!!!!!サイコーですよね!!!!!!!


セトリとか、一曲一曲の感想は省きますが、アニメの時から聴き慣れた定番曲からソロ曲まで、ボリュームたっぷりの4時間。間のMCも楽しくて、あっという間でした。

特に、将煕くんと郁くんのファンサ!鬼すぎる!絶対何回か目会いましたもん!手振ってくれましたもん!

あ、これ3次元の方も推せる……これが5次元……と内心思いながら、初日のクライマックスへ。


今思うとですが、アンコール後のMCは、翌日のアンコール後のMCの伏線だったんだなと。

将煕くんが思わず泣いちゃったり、壮馬くんが、少しネガティブモードに入っちゃったという話を聞いたり……。というか、壮馬くんは不思議な人だなと。ラストライブの時に「当たり前だと思っていたことが当たり前じゃない」って僕らに訴えかけてくるんですよ。牧師ですか???(この辺り興奮しててちゃんと覚えてないんですが、僕はそう受け取ってます)

 


20日のライブは、サイコーに楽しい形で幕を閉じます。

 

 

 

21日。

久方ぶりの筋肉痛を携えて、再び武道館へ。この日もアリーナの前から7列目と、ホントにいい機会を貰いました。

前日参加していた分、この日は7人のパフォーマンスを見ることに集中できた気がします。といっても、ホントに楽しかったことしか覚えてません。


それくらい、夢中でした。レポートが書けないくらい。この日の話を誰かとし始めたら出てくるとは思うんです。ただ、文字に起こそうとすると、その文字では表現しきれない想いが溢れてくるんです。(小説書いている身として、文字で表現できないというのはなかなかアウトだと思いますが)


みぞたくの「愛してる」に胸撃ち抜かれたり、株元さんが男の色気全開で何回も開国されたり(やましいことは何もないです)、DDのMCが盛り上がった後で公ちゃんがソロ曲歌い上げて「かっけえ!」ってなったり、トミーがちょっとかっこつけてたり(20日もかっこよかったですよ!?)、21日もWまさきはファンサ鬼だし、壮馬くんは堂々としてて……。


気付いたら、もうアンコールに。

若干腰痛がきつくて流石にその時は座ってました。それは覚えています。


アンコール明けのMCは、事件だったなあと。

株元さんが涙ぐんで、その後を受けた公ちゃんも目潤ませて……。あの、何億回も即位して開国してくれた2人が……(この書き方語弊ありますが僕にとっては大事な表現です)。

勝手に、このお2人は泣かないものだと思っていたのが、そうではなかったのだと。

DDの5人とは違う角度でドリフェスを見ていたお2人だからこそ、なのかもしれないですけど、とにかく僕らファンのおかけであることを、そしてスタッフの方の力があってここまで来れたんだと、強く伝えてくれました。そう仰るたびに、裏に待機しているスタッフさん、めっちゃ笑ってるんです。ああ、愛されてるなぁ、このプロジェクト。心揺れながらも、この時はまだ大丈夫でした。


しかし、悲しい流れは終わりませんでした。終日一番笑顔でパフォーマンスをしてくれていた郁くんが「寂しい!」と感情を吐露する場面。

会場は一気に涙の様相を呈します。

郁くんは芸歴=ドリフェスの3年間と聞いていたので、この作品への思い入れが強いんだなと。(ツイッターを見る限り、ライブ終わった今もまだドリフェスの名残を郁くんからは感じています。)

ただ、彼の想いが強い分、ファンの人たちが抱えていた「このプロジェクトが終わる」という不安を一気に放出させてしまったのも事実。そして次は、昨日泣いてしまった将煕くん。このままアンニュイなムードが漂うことを覚悟していました。


でも、この日の将煕くんは笑ってくれました。終わりじゃない、ということを僕らに訴えかけてくれました。

あれ、昨日と違うじゃん……なんで今日はそんなにキラキラしてるの……(20日が輝いていなかったわけではありません)。戸惑いつつ、でも、嬉しかった。ファンの人たちは絶対限界でしたが、将煕くんが雰囲気を変えてくれたことで、会場はしばし落ち着きを取り戻します。


トミーからはある種の男気を感じました。僕はどこかで、「純哉くんは好きだけどトミーは苦手」という人の気持ちがわかっていました。わりとほかのキャストの皆さんが、自分が演じるキャラクターを意識している印象が強い中、トミーは富田健太郎のままなんです。それが、純哉くん推しからすると歯がゆく見えたのかもしれません(僕もちょっとありました)。

ただ、トミーでなければ純哉くんは表現できてなかったんだなと。

DDのセンターは奏くんだけどリーダーが純哉くんであるように、壮馬くんは圧倒的にセンターだけど、トミーがとにかく笑って目立とうとして、でもライブの演出とか真剣に考えてて。純哉くんをライバルとして見ていたトミーだから、最後まで凛とステージに立ち続けていたんだなと。

ファンの人たちは、トミーのお陰でまた立ち直りかけていました。


みぞたくが声を詰まらせたのも意外でした。彼がDDの中では芸歴がある方で、ライダー経験もあることを知っていたので、最初のPV撮影の時から1人そつなくこなしている感はありました。だから、今日もわりかしさらっとMCするのかと思っていたんですが。

そういえば、前日もソロ曲の表現に悩んでいることを話していたなぁと思い出し、みぞたくはこの日まで、「及川慎を演じる溝口琢矢」と向かい合い、苦しんでいたんだな、と。SNSで簡単に情報をつかめる時代ですから、今時キャストの人が自分の評価を見ることなんて容易いですよね。

ああ、みぞたくはみぞたくの苦しさを抱えて3年間走り続けていたんだなと。半年しか知らない僕ですら、感じたのです。


なかなか会場はごちゃごちゃした感情に包まれておりました。


ただ、なんかもう、ここからすごかったんです。

僕らは勝ったらしいです。

そして僕らもドリフェスらしいです。

 

壮馬くんのメッセージはとても前を向いていました。そして、リアルでした。

ドリフェスから離れたファンやスタッフがたしかにいること。武道館そのものがなかったかもしれないこと。

もっと早くにプロジェクトが終わっていておかしくなかった。でも、ドリフェスはそれを乗り越えた。武道館2daysを「勝ち取った」。

壮馬くんの言葉は、22歳のそれとは思えず。力強く、それでいて優しく、会場をつつみこんでくれました。

特に、僕みたいな最近知った人のことも受け入れてくれて(みんなそうなんですが)、それが何より嬉しかった。ああ、武道館きてよかった、って。

壮馬くんはみんなで武道館までの道のりを勝ち取ったと言いましたが、僕はやっぱり、僕らファンのエールを受け取り、表現し続けた「14人」と、彼らを支え続けたスタッフに感謝しかないです。

そして、壮馬くんありがとう。貴方のおかげで、みんな、「ドリフェスを好きでよかった」という気持ちで、一つの終幕を迎えられたのですから。


その後、ツイッターのトレンド1位を獲得したり盛り上がりを見せてはいますが、壮馬くんやトミーがそれに触れていなかったり、ほかのキャストの面々が新しい仕事の話をしているのを見ると、やはり寂しさはぬぐえません。

ただ、ドリフェスが終わっていない、と思えるのは、あの場に居たからなのかもしれません。それに、僕なんか半年前に知った身ですよ?

なのにこんなに心動かされてるんですよ???

ずっと追いかけてきた人の気持ちは、推し量ることなどできません。

 


ただひとつ、たしかなことがあるとするならば、ドリフェスは「サイコー超えてる!」最高のコンテンツだったということでしょうか。

 


あと、

言葉より、行動だなと。

ドリフェス好き、という言葉より、ライブに行く、グッズを買う、円盤買う、課金する。

現実を突きつけられるようだけど、でも、言葉は行動に乗った上でないと、無力だな、と。

これは僕らがまた、推せる作品に出会った時、少しでも好きな気持ち、応援したい気持ちがあるなら、僕らは行動する必要があることを言っています。円盤買うとか、ライブ行くとか。

それが、実はドリフェスというコンテンツが僕らに教えてくれた、現実的で当たり前で、れっきとした「エール」のあり方なのかなと、僕は思います。と、なんか真面目な雰囲気になりそうなところで、筆を置かせていただきます。

 


結論:僕は中の人たちを応援し続けることになりそうです。