初めて避難所生活を送ったオタクの話

2019年10月12日。

僕は初めて、避難所生活を経験しました。今回の記事では初体験の内容と、そこで感じたことをまとめておこうと思います。

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▼どこに住んでいるか

Twitterのトレンドに上がった時間帯もあったようですが、僕は荒川(岩淵水門)が近いところに住んでいます。ハザードマップを見ればわかりますが、がっつり浸水区域内の住人です。

 

▼避難を決意したタイミング

12日の14時ごろ。熊谷(荒川上流)で「避難判断水位」を超えたとニュースが流れました。上流で、まだ台風が来ていない段階から川が増水しているということは、台風が上陸した場合により危険が増すと感じ、避難を決意しました。

 

▼避難道中

風!!!!!

大雨!!!!!

人が歩ける状況じゃない!!!!!

これでまだ台風が上陸する前でしたから。これより遅くに避難しようものならもっと大変だったと思います。結果、ずぶ濡れで避難所に到着しました。

 

▼持ち物

・水(2L)

グラノーラ(600gくらいのやつ)

・懐中電灯

・スプーン

・タオル2枚

・携帯バッテリー(4回分充電できる)

Mac Book(暇つぶし用)

・着替え(シャツと靴下が2セット・寝るとき用のズボンが1セット ちなみにパンツは忘れました)

・ブランケット(すみっこぐらしのエビフライのかわいい毛布です)

・春秋用のアウター

・通帳

・年金手帳

マイナンバー

・印鑑

 

▼避難所生活

まず、暇。

テレビがなかったのでスマホから状況を調べるほかなかったのですが、スマホのバッテリー残量が気になるので使いどころが難しく。Mac Bookで小説を書いていましたが、避難してきた疲れやこれからどうなるかという不安もあって、「集中しないでも時間つぶし出来る・かつ電力に頼らないもの」を持ってくればよかったなと。

次に、何故かトイレが近い。(理由ははっきりあるのですが)

水を飲み過ぎたのが一つありますが、不安・緊張が尿意を駆り立てたのもありました。一時間から二時間に一回ほどはトイレへ行っていました。

他には、子供は正直、うるさい。

子供は避難所に来るな!というわけではありませんが、怖くて泣いちゃったり、退屈で走り回ったりする子供は居るわけで。普段身近に存在しない人が集まっているわけで、そういうストレスは小さいながらあったかなあと。

最後に、緊急速報が恐ろしい。

台風が到来した21時ごろからは、夜中の1時過ぎまで緊急速報が流れていました。おかげでほぼ一睡も出来ず。

ただ、家で台風が去ることを待っていたら、別の不安に襲われていたと思うので、避難所で(ある程度)安心を担保されていたのは大きかったです。

 

▼必要だと感じたもの・行為

【もの】

・スリッパ(出来れば外出するときに使うやつ)

僕の場合、学校が避難所で、体育館で一夜を過ごしたのですが、トイレへ出るときは校舎側へ渡らねばならず、靴を履く必要がありました。さらに、校舎では汚さないためにか靴を脱ぐ必要があり、最初は「嫌だな…」と思いました。特に、トイレにスリッパが1足しかなかったので、誰かに使われているとトイレを待たなければいけないのも不安材料の一つとなりました。(なお、1時間ほどで校舎内の靴の着用も許可されました)

なにより、避難時に雨でびしょびしょになった靴を履くのが嫌でした。乾いた足をトイレへ行くたびに濡らしてしまうので、スリッパがあればこういう状況になった時便利だなと思いました。

 

・タオルケット or 冬用のアウター(ユニクロのウルトラライトダウン)

避難所では毛布がもらえたのですが、床に敷く用に使ってしまうため、寝る時が寒くなってしまいます。一応ブランケットは持って行っていたのですが、体すべてを包むことは出来ず。

実のところ、避難する際に毛布を持っていこうと思ったのですが、嵩張ってしまって断念した経緯があります。ただ、普段ベッドに敷いているタオルケットであれば、そこまで嵩張らず、かつ寝るときの毛布代わりにもなりそうなので、次に避難する際は持っていこうかと。

また、避難所の物資には限りがあり、遅く避難してきた片だと、毛布がもらえないケースがありました。もし自分に余裕があれば、それを使ってもらうことだってできますからね。。。

万が一タオルケットがなければ、冬場以外なら冬用のアウターを持っていれば代わりになるかと。ユニクロのウルトラライトダウンなら持ち運びの利便性が凄く高いので、こういう時に1着あるとめちゃくちゃ重宝するんじゃないかと思いました。ユニクロの営業マンではないですがユニクロ凄いと思います。

 

・本

暇がすごい。なのに暇をつぶせない。そんな状況を打破するためには、電子ではない本(小説とか漫画)があると、とっても役立つはずです。自分だと小説をゆっくり読んで数時間使えたらよかったなあと。

携帯ゲームだったり、動画で時間を潰すのも悪くないと思いますが、電気を使う行為は、避難所生活を経験すると極力避けたいと思うようになりました。今回は長くても1日だろうと思い、そこまで気にはしませんでしたが、長期化したときには、出来るだけハードに頼った方がいいと思うので。まあ、持ち運ぶ物資の量次第ともいえそうですけど。

 

・パンツ

これは忘れただけです。替えのパンツ、絶対持っていこうな……!

 

・塩気のあるもの

単に家族連れの方々がおにぎり食べているのを見て「僕もおにぎりたべたい……」ってなっただけなんですが。

ただ、塩分の必要性自体は理にかなっていると思います。僕の場合水とグラノーラだけだったので、塩気が全然取れない。食べてるのに食べていない感じがして、グラノーラを貪り食って水を飲み、トイレに行くというダメな無限ループ。

そういう意味だと、塩気のあるもの(お湯使わなくていいレトルトの食べ物とか)を持って行った方が良かったかもしれません。ちなみに、僕の避難所はお湯が多分なかったので、カップラーメンはみなさん水で浸して食べていました。

 

・耳栓、イヤホン

先述しましたが子供の声が気になったり、雨風の音で不安になることはあったので、凌ぐための耳栓・イヤホンは必要です。特に夜中、しっかり眠りたい人にとっては必須かと。

 

・ラジオ

テレビがないこと、情報が欲しいけどスマホは使いたくないという時、ラジオが必要だと痛感しました。もちろん、避難所でテレビが流れる場合は別ですが、持っておくに越したことはないなあと。他と比べて優先度は低いですが、あると便利です。

 

【こと】

・早めの避難

避難して分かったことは(考えればわかることなんですが)避難所に定員があるということです。夜に避難してきた人の中には、体育館内に避難する場所がないため、玄関口で夜を過ごした方もいらっしゃったようで。また、僕が来たときはまだ体育館に人は多くなかったため、壁際に場所を構えることは出来ましたが、夕方を過ぎたころから人が増え始め、場所取りも選べなくなっていきました。

早めの避難を心がけて!とは言われましたが、これはホント。遅くなるほど避難する危険度は上がり、場所が確保できないということもあります。僕のように有事の際は避難が必要な方は、状況次第で避難指示が出る前に避難されることをお勧めいたします。

 

・ソースのある情報収集

各報道機関(NHK)や気象庁の情報、僕で言うと荒川の事務局が配信している水位遷移のデータを用意しておくと、避難や台風対策の総合的な判断や準備が迅速に出来ると実感しました。有事の際はフェイクニュースが流れることもあるので、基本はソースのある情報を集めることが大事だと思いました。

 

▼不要だとかんじたもの・行為

【もの】

グラノーラ(水分を持っていかれる食べ物)

水は貴重なのに、水分を持っていかれるグラノーラを飲み込む水分を水で使ってしまい、トイレに行きがち、というダメループに陥っていました。避難時に向いている食べ物は絶対にあるので、事前にリサーチして準備しておいた方がいいと思います。

 

・ソースのない情報(特にSNS

マジでこれ。マジでこれ(2回目)。

これは台風来る前から思っていましたが、不安を煽るような記事が出たり、過去のシミュレーション映像をあたかも今回の台風に照らし合わせたもののように発信する人が多く、それを見て慌てている自分が居ました。でも、大事なのは今の台風情報なので、非常時のSNSの使い方は気を付ける必要があるなと実感しました。

 

【こと】

・台風に関連させた謎の政権批判ツイート

マジでこれ(3回目)。

不要な情報でもあるのですが、自戒も込めまして。

夜を不安で過ごしている時に流れる(まあまあ過激派な)人の政権批判ツイートがRTでこまめに流れてきたりするんです。すぐその人のRT非表示にしたんですが、「今その情報要る?????」ってなるわけです。ただ不安と不満が出てくるだけで。あとそういうのを発信する人の信ぴょう性が大概ないのでそれがまた腹立つんです。ちょうどその頃、荒川が氾濫するかもしれないって状況だったので、ひやひやしてたわけです。そこで正義感で拡散したのかもしれないのですが、やれアベガーと言われてるのを見ると「俺が欲しいのは荒川の状況じゃ!!!!!」ってなるわけです。

マジでこれはすぐに対策できることだと思うので「やっちゃったな」って人はやめてほしい。あ、いろいろ落ち着いてから批判する分には全く問題ないと思ってます。ただその時は呪いました。

 

▼総括

大変は大変でしたが、避難所で普段話さないような方と話せたり、何もしない時間を手に入れたり、台風が過ぎた後の青空を眺めたり。

何回も来てほしくはありませんが、何事もなく生きていける日があって、とてもホッとしています。

また、荒川の治水に関わる職員の皆さま、避難所で対応してくれた役所の方々、今被災された方々の救助に当たっている警察・消防・自衛隊の方々、本当にありがとうございます……。

以上で、ブログを締めさせていただきます。