褒められるのは嬉しい

褒められると嬉しい

とても当たり前のことだけど

それを受け入れられない人もいるだろうし

何も感じない人もいるだろう

 

押し付けないように心がけるけど

間違った時は、素直に謝ろう

僕は、僕が思う1000倍くらい、素直に謝れてないと思う

 

※これからこういうこともブログで更新しようと思います

【ネタバレあり】花束みたいな恋をした、観に行って来たオタクの感想

友人から勧められていた「花束みたいな恋をした」を、先日ようやく観ることが出来ました。
結論から申し上げると……とっても面白かったです。脚本が坂元裕二さん、監督が土井裕泰さんと知った時から、「絶対面白い」とは思っていましたが、期待通りの出来栄えでした。
 
今回のブログでは、中でも印象に残ったシーンをいくつか取り上げます。
以降、ネタバレになりますので、ご注意ください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

▼皮肉られる側に回ったONE OK ROCK

ストーリーの序盤は、有村架純さん演じる「八谷絹」(以降絹ちゃん)と、菅田将暉さん演じる「山音麦」(以降麦くん)があるきっかけで出会い、小説や漫画等、サブカルチャーの趣味が合うことから意気投合し恋に落ちていく、という内容で進みます。ただ、この作品の醍醐味の一つ、「(サブカルオタクが)共感できそうな皮肉」が随所に差し込まれていることで、普段恋愛映画を観ない層でも、別の角度から面白く観られるのが特徴でした。意識高い系のIT企業の社員をやんわりとdisったり、質の悪い実写映画への毒を放ったり、作品の中盤まで、サブカルオタクにとっては「わかる」の連続でした。
 
しかし、絹ちゃんと麦くんの恋愛関係が同棲へ発展したあたりから、少しずつ二人の歯車は狂っていきます。二人の歯車が狂うタイミングは観た人なら大体わかると思いますが、僕に強烈な印象を残した皮肉は、絹ちゃんのご両親が二人の同棲先に遊びに来た際、絹ちゃんのお父さんが麦くんへ「ONE OK ROCK」が好きかと問いかけるシーンでした。
 
まず、絹ちゃんのご両親が広告代理店に勤めているようなことを匂わせていたのが重要で、観ている僕は「ああ、代理店の奴らを皮肉ってくれるんだな」という期待感を持っていたところでした。案の定、絹ちゃんのお母さんが麦くんに働くことの正しさを問いかけるシーンは可笑しくて痛快だったのですが、その次に、絹ちゃんのお父さんが「ワンオクを聴いているか」と話題に出した瞬間、僕は我に返りました。
 
ああ、ワンオクって「皮肉られる側の材料になるんだ」と。
 
少し話は逸れますが、この作品は20代後半、ある程度恋愛や社会人の経験を積んでいる男女をメインターゲットにしているものを推測しています。そのターゲット層にとって「ONE OK ROCK」というバンドは、世代を遡ればミスチルであったり、スピッツであったり、BUMP OF CHICKENのような、その時々の青春に花を添えてくれたロックバンドの一組と認識しております。「完全感覚Dreamer」や「アンサイズニア」なんかは、ワンオクを知らなくとも、同世代ならニコニコ動画のMADで聴いた覚えがあるのでは?と。少なくとも、実写映画への皮肉の題材に挙げられていた「魔女の宅急便」のようなテーマに使用されるイメージは、みじんも湧いていませんでした。
 
だから、お父さんが若者の文化に頑張ってついて行った結果の「ワンオク」が妙に重く肩にのしかかり、「この人たちを馬鹿にしている僕って、何様なんだ?」と狼狽します。おそらく、実写版の「魔女の宅急便」を好きな人たちは居るし、そもそも、其処に関わったスタッフさんが沢山いるわけで。でも、僕等はそんなことお構いなしに実写映画を否定し、馬鹿にすることがあります(面白くないものは、面白くない!って言っちゃいますけどね)。お父さんの「ワンオク」発言で、僕は急激に現実へと引き戻されました。批判した先には、必ず人が居る。そのことを、僕は想像できていたのだろうか、と。
 
続けてお父さんは「今度、オリンピックをやるんだ」と発言します(すぐさま絹ちゃんに「やるのは選手でしょ」と諭されますが)。オリンピックというテーマは、皮肉として使われていると思わずにはいられません。ワンオクの話がなければ腹の中で、絹ちゃんに全力同意していたところなのですが。その頃には僕は、何故か絹ちゃんのお父さんのことが気になって仕方なくなりました。本当は、ワンオクなんて興味ないんじゃないか。オリンピックなんて、関わりたくないんじゃないか、と。
 
今思えば、ここのやりとりは結構重要でした。特に麦くんが変わっていくきっかけとしては十分で、そして観ている側の僕にとっても、この映画が、皮肉を面白がっていた側にも一筋縄ではいかなさそうなことを予見させていました。
 

▼親に頼れなくなった麦くん

本作は様々な角度から批評される映画のようですが、自分が男ということもあってか、麦くんが100%悪い、という意見を見ると、擁護したくなってしまう気持ちが強く。。。それこそ、男だからかもしれませんが、勝手に転職を決めて給料下げて働くことを絹ちゃんが打ち明けたときには「麦くんの気持ち考えてあげなよ」気持ちがめちゃくちゃ強くなりました。
 
でも、この作品を、いわゆるジェンダー論的な視点で見るのは少し情報が欠けているように思えます。麦くんが働くことに執着した理由は、彼が「実家に帰りたくない」という心理が働いたから、という側面が強かったのでは、と推測しています。
 
絹ちゃんの両親がやって来て三日後、今度は麦くんのお父さんが二人の家を訪れます。そこで麦くんは自分の夢を語りますが、それを知ったお父さんに仕送りを打ち切ると宣告されてしまいます。その後、二人は就職活動を始めることになり、絹ちゃんは歯医者さん?の受付で働き始め、少し遅れて麦くんはEC関連の会社に営業として入社することになります。最初は「残業はない」と語っていた麦くんですが、働き始めると忙しくなり、二人の生活は徐々にすれ違っていきます。
 
ここからの麦くんの変化は、多くの社会人にとって刺さる内容だったのではないでしょうか。ゴールデンカムイの新刊が出ても追わなくなったり、Switchのゼルダは買ったはいいけど全然進められなかったり、小説を読んでいた時間は自己啓発本や専門書を読む時間に変わったり。息抜きに漫画を読んだら、と絹ちゃんが提案すると「パズドラしか出来ない」と言い返した麦くんのあの発言は、かなり胸へ刺さりました。
 
沢山の不条理に出会った麦くんですが、作中で物に当たったり、絹ちゃんを一方的に罵倒するようなシーンはありませんでした(記憶の限りでは)。そんな彼が唯一、怒りをむき出しにしたシーンがありました。
 
配達物を運送していたドライバーが、荷物ごとトラックを東京湾へ沈めてしまった、という事故(事件)が起こり、麦くんはその処理を任されます。そこで、麦くんの部下と思われる青年が(彼自体はそんなつもりなかったのでしょうけど)、真面目に仕事をする麦くんを小馬鹿にする発言をします。そして、仕事を残す麦くんを放って帰ろうとする部下に対し、麦くんは手元の書類をぐしゃっと掴み、投げようとしたのです。結果、麦くんは思いとどまったのですが、そのシーンはあまりにも辛くて。
 
麦くんだって本当は仕事を投げ出して、好きなことして暮らしたいに決まっています。でも、もし仕事を辞めて、それで、次の仕事が見つからなかったら。。。
 
ここで僕は、麦くんのお父さんが仕送りを打ち切った時のシーンを思い出します。親との関係が良好であれば相談くらいは出来そうですが、麦くんのお父さんとのやり取りを見ていると、それも難しそうだなと。
 
絹ちゃんと生活するために働いていたのは、間違いではないはず。しかし、麦くんの心理を考えると、「ここで頑張らないと、誰も助けてくれない」という気持ちが強かったのかもしれません。また、絹ちゃんとの生活を守るためにも働かなければならない、その観念に囚われていたであろう麦くんは、今の居場所を守ることで精一杯だったんだと思います。
 
ただ、このシーンでも麦くんは暴れ散らすことなく、何かをあきらめたように仮眠用のスペースでパズドラを始めました。そのシーンはとても切なくなりましたね。
 
麦くんがちゃくちゃくと仕事を進めている印象や、上司からのパワハラが見えないことを踏まえると、忙しいけど、悪い職場でもなさそうなわけで。会社に寝泊まりするカットも、事故処理によるもの、という描写が挟まっていることで「常ではないのかもしれない」と想像出来るのが救いだったかもしれません。とはいえ、「自分が何とかしなきゃいけない」という観念が麦くんを追い詰めていってしまったことを考えると、神様は意地悪だなあと思いました。
 

▼理屈ではなくなった「じゃんけん」と、理屈が大事な「イヤホン」

仲を修復できなくなった二人はとうとう、別れを迎えます。そのシーンはめちゃくちゃ辛くて泣きそうになりました。
 
しかし、別れを迎えてからも少しの間、二人は同棲を続けます。そこで、飼い猫をどちらが引き取るかじゃんけんで決めるシーンがあるのですが。
 
実はこの二人、物語の序盤で「じゃんけん」が判らないという共通の話題で盛り上がっていたのです。「紙(パー)が石(グー)に勝つ理由がわからない」と言っていた二人はその理由に答えを出さないまま、パーを出した麦くんが猫を引き取ることになりました。
 
それは、少し寂しいようで、でも、嬉しいような気もして。斜に構えているわけではありませんが、世の中の常識に疑問を持つこと、反抗することは結構大事なポイントだと思っています。とはいえ、理屈なんてなくたっていいこともあります。じゃんけんはそういうルールだし、それで人生が大きく左右されることがあるわけでもないですし(飼い猫を引き取れるかどうかは大きなポイントか)。
 
この作品は基本的に「変化への寂しさ」が刺さるのが特徴です。とはいえ、絹ちゃんは自分をしっかり持って行動しているシーンも多かったのです(もちろん、絹ちゃんも麦くんの変化を受け入れようと努力していましたが)。だからこそ、あのじゃんけんは「二人が受け入れた」ゆえの変化に見えて、切ないけど、これで二人の行く末がいい方向へ変わっていくのであれば。。。という期待感を持たせて、エンディングを迎えます。
 
作品の冒頭とエンディングは同じ時間軸で、冒頭では、絹ちゃんと麦くんはそれぞれ、趣味がそれほど合っているようには思えないパートナーと共にカフェにいました。そして、イヤホンを分けて音楽を聴こうとしていた別のカップルに「その聴き方は間違っている」と注意をしに行こうとしたとき、偶然の再会を果たします。
 
実は、絹ちゃんと麦くんも、イヤホンをわけて音楽を聴こうとしたシーンがありました。その時は、偶然そばに居あわせた人に「その聴き方は間違っている」と注意されてしまうのですが。
 
冒頭のシーンはその受け売りだと思います。やはりこの二人にとって、「理屈」は大事なことでした。今のパートナーはその「理屈」より、大事なことがあるんじゃない?というスタンスで問いかけますが、絹ちゃんも麦くんも我関せず、という感じで。
 
でも、そんな新たなパートナーとの関係が続いてるのは、あの「じゃんけん」があったからなのかもしれません。理屈は大事、でも、理屈が全てじゃない。二人はそれから言葉を交わすことなく、別れ際、背中を向けたまま手を振って、お互いに振り返ることなく今のパートナーと共にその場を去っていきます。今後二人はどうなるかわかりませんが、切なくて、でも、二人の楽しかった時間は嘘ではなかったと信じられるラストでした。
 

▼さいごに

単なる恋愛映画ではなく、かといって、皮肉めいた社会派作品、というわけでもなく、サブカルオタクを全肯定しているつもりもない、どこか掴みどころのない雰囲気。そして、視聴後は色んなことが言いたくなる、そんな力を持つこの作品。人によっては「こんなストーリーあり得ない」と思うかもしれないし、また、「現実味があり過ぎて辛い」と感じる人もいるでしょう。
 
それでも、自分の中にある何かが変われば、運命は一変するかもしれない。淡い期待を抱かせてくれるのも、この作品の魅力かな、と。
 
観に行く覚悟はちょっぴり必要ですが、何かしら、心に残る作品であることは間違いありません。お時間があれば是非、「花束みたいな恋をした」を観て頂ければと思います。

2021年も大和選手を応援したい

昨年、大和選手について2本、ブログ記事を書きました。
特に、最初に更新したこちらの記事(https://kerokerokarol.hatenablog.com/entry/2020/07/18/152353)は、多くのファンに読んで頂き、僕自身書いて良かったと思う限りでした。

2020年の大和選手は、打撃成績においてはキャリアハイと言って良い成績を収めました。自己最多の4本塁打をはじめ、打率(.281)や出塁率(.342)、長打率(.387)も規定打席不足ながら過去最高の成績。OPSに至っては、キャリア初の7越え(.729)を果たしています。

 

2021年。
梶谷隆幸選手のFA移籍に伴い、巨人から田中俊太選手が加入。そして、ドラフトでは牧秀悟選手を獲得。内野手争いが過熱する中、大和選手の立ち位置は流動的になる見込みです。

DeNAでの大和選手は、レギュラーで出場することを目標にしてシーズンを戦ってきました。しかし、昨年の契約更改を見る限りでは、ユーティリティとしての出場も厭わない印象があります。練習試合やオープン戦ではセカンド、ショートを守っていることから、調子次第でセカンドやショートでのスタメン、そして、バックアップ要因としての役割が求められそうです。

 

しかし、大和選手に求められる役割は、試合に出場することだけではないように思います。それは、大和選手がチームの最年長選手であることに関連しています。

 

https://sp.baystars.co.jp/entertainment/column/nobu_farm/2019/1007_01.html
こちらは、2019年のチームスタッフの方が書かれたブログ記事です。

 

大和選手が練習熱心で、負けず嫌いな性格なのは阪神時代のファンならご存じかと思いますが、印象的だったのは「若い選手もかなりの刺激をもらってる」の部分でした。
以前公開されていた大和選手のインタビュー記事の中で佐野恵太選手が言及していたように、試合が終わっても納得するまでバットを振り続ける姿勢は、比較的若いチームの鏡になっているんだろうな、と。また、チームスタッフや監督、コーチ陣との橋渡しとして、キャプテンの佐野選手では背負いきれない部分を、フォロー出来る存在である必要があるのかな、と。表面的には引っ張るタイプの選手ではないと思いますが、大和選手の存在が若い選手にとっての刺激であり、拠り所となるなら、それが一番大切な役割なのかな……と外野が勝手に想像しています。

 

全てが順調にいけば、2022年のDeNAベイスターズは、ショートに森敬斗選手を、セカンドに牧選手を置く布陣で、総合的に強化された編成が出来るものと推測しています。今年こそ、大和選手をスタメンで観られる機会はラストチャンスかな、と。

ただ、それが寂しいと思わないのは、大和選手が楽しそうに野球をしてくれているからです。これは、ロッテに移籍した鳥谷敬選手にも言えるのですが、長らく応援していた選手が新天地で溌溂とプレーしているのを観ると、僕はとっても嬉しくなるんです。特に大和選手は、DeNAの移籍で明らかに選手寿命が伸び、打撃面での技術向上も見られ、守備要因だけでなくここぞの代打としての活躍も期待が持てそうな選手に変わりつつあります。

 

30歳という年齢で天然芝から人工芝にホーム球場を移したうえで本格的にショートを守るようになり、試合数が少ないながらも打撃成績において飛躍的に向上を見せた大和選手の姿に、さほど年齢が離れていない身としては、勇気を沢山もらえます。やってみないと判らない、という言葉の通りで、挑戦しないと、何が起こるかわかりません。DeNAベイスターズというチームの行方はもちろんですが、大和選手の姿を追いかけながら、僕もこの一年、充実させられるように頑張りたい。そう思わせてくれる魅力が、大和選手には沢山、溢れています。怪我だけには気を付けて、あと、大和選手のことばっかり書いてますが、チーム一丸となって日本一を目指してほしいと、願っております。

刀ステ初めて観に行ったら涙止まらず3時間終わってた

先日、生では初めて、刀ステを観に行ってきました。ずーーっと感動してずーーっと泣いてました(ずっと泣いてた、は語弊ありますが前半の終盤から泣いてました。隣の人には申し訳なかったな……)。中身に関しては言語化できるほど知識が定着していないので言及しませんが、本ブログでは、刀剣乱舞というコンテンツの初期から知ってはいたものの、ライトに関わって来たオタクがどうして舞台を観に行こうとしたか、そしてそこから感じた「かっこよさ」とは何か、について書いております。ずっと刀剣乱舞好きな方も、最近気になってきたという方も、こういうオタクが居るんだな、と思いながら読んで頂ければ幸いです。

 

 

 

 

 

 

長らくハマれなかった理由

リリース初期から登録・プレイはしており、知識が全くないジャンルではありませんでした。しかし、ゲームにすぐ飽きてしまったこと、刀剣男士のデザインやボイスが刺さらなかったことで、早々にゲームを遊ばなくなってしまいました。

まず、【ゲームにすぐ飽きてしまった】点については、世界観やストーリーが把握出来ず、刀剣男士を出撃させるだけの単純作業が苦痛になったのが一番の理由でした。後々、特定の刀同士で出撃させると特別な掛け合いが見れるケース等、物語を補完してくれる機会があることを知りましたが、その頃には別ジャンルにハマっていたので、X周年の前後でログインする程度のレベルまでコンテンツからは離れておりました。

また、【デザインやボイスが刺さらなかった】点についても、キャラの背景を感じ取れなかった点が大きいウェイトを占めていたのかな、と。デザインやボイスって、一目惚れすることはもちろんありますが、キャラの内面や背景、物語を知っていくことで好きになる部分が僕にはあります。今だったらまんばちゃん(山姥切国広)とか兼さん(和泉守兼定)が好きなんですが、バックボーンを知らないのにガワだけ好きになるのって結構難しいと僕は思うので、結論を簡単に述べると、【物語がわからなかった】この一言に尽きますかね……。

ちなみに、ガワだけ好きになるのは難しいと言いながらも、蛍丸のフィギュアは持っているので、見た目から入ったキャラが居ないわけでもないことを併記しておきます。
昔はがっつりショタコンだったので……。

 

 

 

 

 

 

「舞台 刀剣乱舞」との出会い

そんな中、2020年の5月末か6月頃に、【舞台 刀剣乱舞】(以降刀ステで統一します)のバックナンバーが無料配信されるとのことで、フォロワーさんの勧めもあり、無料配信期間に過去の刀ステを観る機会がありました。元々、刀ステが面白いよって話は聞いていましたが、生半可な知識で舞台を観る勇気は全然なく……。とはいえ、良い機会だし(無料だし)と思い、期間中に配信されたものを全て、視聴しました。

とにかく、物語が面白い!!!!!(そして重い……!!!!!)

具体的には一切書けませんが、オタクはこういうの絶対好きじゃん、のオンパレードなんです。毎回毎回胸が締め付けられ、ハンカチを濡らしながら、号泣していた記憶が残っています。加えて、公演を重ねる毎に演者さんの表現にも幅が広がっていき、ある回以降は「本当に刀剣男子が居る」と思っちゃうレベルで没入したので、「所詮は2.5次元舞台でしょ?」って斜に構えて観ないのはすごーーーーーく勿体ない作品だと、僕は思いました。

刀ステ沼に引っ張るなら具体的に書いた方が良いんですが、具体的に書いちゃうとこの感動がめちゃくちゃ薄れるので、気になった方は下記のURLから過去の配信分を観て頂ければ、と思います。是非観てください。是非!!!!!
舞台『刀剣乱舞』特設ページ - DMM.com 動画 https://www.dmm.com/digital/cinema/stage_toukenranbu/

 

 

 

 

 

 

生でしか味わえない感動

時勢柄気を付けて、ではありますが、先日初めて刀ステを観た感想としては、とにかく良かった、素晴らしい、の一言でした。(この表現が良いかは判りませんが)2.5次元系の舞台自体、これが初めてだったので、最初はすごく緊張していました。実際に足を運んでみると、9割くらいは女性で、男性って全然居ないんだな。。。というのが率直な感想で、それも緊張に拍車かけたかな、と(自分が女性だったら、隣が男の人って結構気を使っちゃうかも……)。まあ、時間帯や曜日の関係があるので、これが全てではないことをご了承ください。

生のメリットの一番は、「音」です。演者さんの声色、BGM、殺陣のシーンの足音、現場でしか聴けない音は確実にあって、それが身体に染み渡っていく感覚……これだけで半月分の食費を払って観た甲斐があるなと(チケット代まあまあ高いですよね……?)。

また、舞台全体を見渡せること、舞台だけに集中できることの二点もメリットだなと。配信は気楽に観れて、演者さんの表情がフォーカスされることもあって、別のメリットがもちろんあるんですが、生には生でしか味わえない感覚があります。物語が進行するに連れて高まっていく緊張感・緊迫感は、其処に居て初めて伝わるものがあります。加えて、今回の公演場所となった「IHIステージアラウンド東京」の特徴でもある、観客席が360度回転する仕掛けが、よりワクワクを膨らませてくれた気がします。一種のアトラクション、のような凄さがありました。

 

 

 

 

 

 

「かっこよさ」を言語化したい

で。語りたいのは、此処かなと。昔から、わりと女性向けと呼ばれるコンテンツやキャラクターを好きなることがある男オタクなので、男の人が言いがちな「女性=イケメンが好き」っていう論説には、半分合ってるけど半分違うんじゃないかな、というのが常々ありました。というのも、こと2次元とか、こういう舞台とか、メインキャラクターってかっこよく(かわいく)描かれるのって当たり前だと思うんです(これは男性向けに女性キャラがかわいく[かっこよく]描かれるのとほぼ同義だと思ってください)。だから、顔が良いキャラだけでは埋没してしまう……もう少し、一歩踏み込んだ何かが必要なんじゃないかな……と考えたとき。

やはり、キャラクターの背景、物語が大事なんじゃないかな、と僕は思うのです。

刀剣乱舞というコンテンツに(語弊を恐れずに言うと)思い入れのなかったオタクが舞台に行こうと決めた理由って、配信で観た舞台の物語(ストーリーラインはもちろん、刀同士の関係性であったり、各回に登場する歴史上の人物の想いだったり)に胸を打たれ、加えて、演者さんやスタッフさんたちの熱意に惹かれ……其処が大きいんじゃないかなと。【物語】と【熱意】この二つが合わさることで、それを受ける側は、どんどん応援したくなって、どんどんそのコンテンツにのめり込んでいく。今の僕は、そう考えています。

そんでもって、この【物語】と【熱意】については、ずっと前から追いかけている方が既に、その熱を沢山アウトプットしている(ブログへの感想だったり、ファンアートだったり)ので、此処では語りません。でも、ガワだけしか知らないで、「どうせ2.5次元の舞台なんでしょ」って言い捨てちゃうのは、ことこのコンテンツについては、本当に勿体ないと思います。だから、気になっている方は先程貼ったリンクから、是非バックナンバーをご覧になっていただければと思います!

街コン爆死オタク、初めてコスプレをするの巻

「顔以外なら(男キャラの)衣装着てもいいよ!」
そんな一言が、全ての始まりだったように思います。
 
今から数ヶ月前、友人との会話の中で、「僕の体型は男性キャラのコスプレ向きだと思う」という話をしました。
というのも、僕は身長が175cmあるのに対し、体重が60kg前後で、(少し体重は軽いですが)顔を除けば、キャラクターの衣装を着るとそれなりに映えそうだ、という甘い幻想を抱いてました。
そもそも、実現はしないんじゃないかな、と思ってはいましたが。。。
 
東のアーサー・ペンドラゴンに13万円突っ込み街コンで大爆死した後、西の宇髄天元に落ちたオタク、初めてコスプレをしました。
 

▼オタク、己の解釈違いと戦う

まず、僕が着た衣装のキャラクターは『刀剣乱舞』の『山姥切国広』(以降まんばちゃん)です。
 
刀剣ガチ勢ではありませんが一応初期からのユーザーではあります。また、以前刀ステを配信で観て以降まんばちゃんのファン(推しとはまた違う感情)となり、もともと見た目や性格も刀剣男士の中では好きだったこともあったので、やってみようと。
 
ただ、立ちはだかった壁が一つ。
 
「僕がまんばちゃんの格好するなんて解釈違いだ!!!」
 
例えば、僕が衣装着てメイクして映える顔立ちであれば、そんなことはなかったでしょう。ですが、僕は自分の顔にコンプレックスがめちゃくちゃありました。どういうコンプレックスかと言いますと……エラが張ってて、真正面から見ると頬が痩せこけている感じなんです。それでいて肌質もカサカサで、髭が濃くて、ニキビ痕もポツポツ残ってて……。
それに、まんばちゃんって、逞しくてかつ儚い美少女(?)みたいなところがあるじゃないですか。なのにそういうところが、僕には何一つない!!!のにやるのか僕!!!と叫び続けた結果。
 
やってやろうじゃないか!!!!!うおおおおおおおおおおお!!!!!
 
という謎の力が漲りました。
 
ただ、やらなきゃいけないことはいくつかあって。。。
 
・衣装を揃える
カラコン入れるためにコンタクトの処方箋をもらいにいく
・メイク道具を揃える
・筋トレして体作りをする
 
いっぱいあるな!!!
まあ、初めてのことだから全部経験や!!!と立ち向かう28歳の街コン爆死オタク。ここでは、コスプレへ挑戦するまでのすべてを、各項目に沿って説明していきます。
 

▼オタク、衣装を揃える

まず、僕は衣装を買うところから始めました。これ、衣装作る人も居るはずなので、作ってる人はすげーなと…尊敬の域です…。
 
費用的にはウィッグと合わせて2万5千円程度かかりましたが、思ったよりかからなかったかなと。むしろもっと高くてもいいよ!とか思ったり思わなかったり。また、男性用のサイズもちゃんとあって、個人的には嬉しかったです。(前から男性キャラをやる男性レイヤーさんが好きで、自分も憧れみたいなのは密かにあったので。)
 
ただ、注文のため、体の至る所のサイズを測ってる時はシュールでした。
ちなみに、僕はバストやウエストのサイズと丈の長さのサイズが、SとかMとかの決まったサイズでは全く噛み合わないので、オーダーサイズになりました。体に合わないものを着るくらいなら、オーダーメイドの方が断然いいなと。実際、届いた衣装はほぼ問題なく着られたので。
 
反省があるとしたら、ウィッグはもう少し調節したかったなと。今回は到着したものをそのまま使いましたが、実際使うと前髪が長すぎて目に入ったり大変だったので。そこはまだまだ未熟でした。
 

▼オタク、コンタクトに挑戦する

当初、衣装さえ着れればいい、と思っていましたが、衣装着るならせめて瞳の色は変えたいと。
そこで、人生で初めてコンタクトを入れられるよう、処方箋をもらいに行ったのですが……。
 
まさかの「出せません」。
 
というのも、前々から軽く充血気味だった目は、表面に傷が入っており炎症を起こしていたようで。まずはそれを治してから、と言われました。
 
コンタクト入れられないならコスプレなんて出来ないじゃない!!!と嘆くオタク……。毎日目薬をちゃんとして、数週間後、ようやくコンタクトの着用訓練へ……。
 
しかし、今度は手先不器用過ぎてコンタクトを着用することも、外すこともできず、処方箋を貰うのはおあずけ。あまりの情けなさに唖然として帰路につきました。
 
その後、徹底したイメージトレーニングと目薬中に目をガチガチに開く練習を続け、次の訓練は無事完了。処方箋を貰え、コンタクトを無事に買うことができました。なお、目は大事なのでちゃんと定期検診も受けるようにする予定です。
 

▼オタク、メイク道具を揃える

これが大変だった…です。かつてコラボカフェでアーサー・ペンドラゴンの(パネルの)隣で赤面しながら興奮してるところを別のお客さんに白い目で見られたり、旅行先でまさかの切れ痔を発症し、それを重病と取り違えて震えたり、その切れ痔が発覚した直腸検査で大絶叫したり、オタク街コンで負ける意味を知ったり(鬼滅知らな過ぎてなんも話出来ず)そのあと僕の体験談をもとにした友人のツイートがバズって2chで叩かれたり……なにかとTLに話題を提供してきた僕は、「男」なので、メイクすることは今までなかったのです。
なのでまずは、メイク道具を揃えるところから始まりました。
化粧下地、コンシーラー、ファンデーション、ハイライト、アイライン、アイシャドゥ……メイク道具に使った費用も2万程度で、こっちは予想以上大変だったな、と。
 
……コスプレとは関係ないんですが、こういうことを体験してから、女性っていろいろ大変なんだな、と思ったんです。
男は、メイクしなくても、髭生やしまくっても、「ああいう人だから」くらいで終わるじゃないですか。でも、女性の場合ちゃんとメイク出来てないと、同性の方からはマウント取られたりしそうだし。それに、メイクなんてしたことない男の人から「メイクできないなんて〜」とか言われたりするんだろうな、と思うと辛すぎて。また、男性が女性に気を遣って「メイクしなくてもいいよ」「すっぴんの方が好きだよ」というやつ、あれは、ケースによっては傷付くな、と……。好きな人に、より素敵な姿で一緒にいたい、そんな気持ちがあってのメイクだと思うんですが、そこをすっ飛ばして「メイクしなくていいよ」はなんのフォローにもならないんだ……と。時間や費用をかんがえると、まずはそこに頑張ってくれてる敬意が大切なのかも……ということを、初コスプレに至るまでに実感しました。
 
ちなみに、普段使いの練習と、コラボカフェでアーサーに会いにいくため初めてメイクをした時は、鼻筋に真っ黒なハイライトを入れた結果、デーモン小暮閣下風のメイクになってしまいました。一緒にカフェへ付き合ってくれた友人には大変恥ずかしい思いをさせてしまい、その節は大変申し訳ありませんでした。
 

▼オタク、筋トレして体作りをする

最初、体型的には問題ない、なんてことを言ってはいましたが、それはあくまでも数字上。まんばちゃんは儚くも逞しく美しい肉体の持ち主なので、せめてそこに近づけたい。。。そう願うのは山々でしたが、忙しい日々の中、筋トレってなかなか続かない。。。
そんな中、コスプレすることが決まった9月以降はリングフィットアドベンチャーを、10月以降はなかやまきんに君の動画を見ながら筋トレに励みました。体への変化はさほどありませんでしたが、仕事へのストレスが軽減されたり、体を作ってる感を味わえたので、やることは決して無駄ではなかったように思います。
ただ、悔しいのは11月に体調を崩し、また仕事が忙しくなったことでトレーニングを続けられなかったことです。
次に衣装を着るときは、肉体までも着るキャラに近づけたいので、来たる時まで体を鍛えようと思います。
 
***
 
体づくりとは少し違いますが、僕は女性キャラの衣装を着る、ごく一部の男性レイヤーさんに思うところが常々ありました。
 
その……女性キャラにはない、「毛」の処理をしてくれと。
 
女性レイヤーさんへは好感を持っていますが、男性レイヤーさんにはごく一部ですが、もうちょっとちゃんとして欲しいって気持ちがありまして。(これが流行りのお気持ちというやつ!)まあ、それを強制はできないので、自分がやるときはちゃんとしたかったんです。
 
そこで、僕は(衣装着たら見えないはずなのに)脛毛を剃ることを決意しました。
スプレー型の除毛スプレーをした結果、うん年ぶりに脛がツルツルになりました。いいぞ僕、これは有言実行……!と思い、調子に乗って腕と胸毛を剃ろうとしたのですが。
 
あろうことか右乳首にスプレーを噴射。
 
注意書きに「肌の弱い部分への使用は禁止」とあり、急いで洗い流したのですが、時すでに遅し。
 
それはほぼ、エロ同人。シャツに擦れると感じる乳首。保湿しなきゃとニ●アを塗ってしまいピリピリと続く刺激にのたうち回るオタク。
今年に入って好きな男性キャラが乳首責めに遭う小説をいっぱい書いたせいか、かなり乳首にダメージを受けてしまいました。
(なお、当日も多少ダメージがあったので。右乳首を庇いながら衣装着てたのは秘密。。。)
 

▼オタク、初めて衣装を着てみて思ったこと

何これ、めちゃ楽しいじゃん……。
自分が予想してた1000%くらい楽しくて、やる人が年々増える理由がとてもわかりました。
 
どうして楽しいのか考えてみると……普段の自分から切り離されるところだったり、好きなキャラに近づく努力が結果として現れたり、そもそも好きなキャラになれる、という感動だったり。
 
数年前までは、実のところレイヤーさんのことを、あまり好意的には思っていなくて。二次元でいいものをわざわざ三次元でしなくても、という思いがあり、偏見めいたことをツイートしたりもしてたと思います。友人にレイヤーが増えると同時にその偏見は解消されましたが、かと言って自分がすることはないだろうと。。。
 
ただ、実際やってみると、(客観的に見てそれが似合っていたかはともかく)とかく楽しいな、と。恥ずかしい、大丈夫かな、という気持ちはもちろんありましたが、自分じゃないものになってる、なれてる方の楽しさがその時は勝ってました。
 
今回は友達とやったわけですが、今後やらないの?と問われると、「やるかもしれない」という回答になりそうだな、と。
楽しいのは、僕の場合は一緒にやる人がいたからであり、一人でやるとなると、それはまた別の話。もっと逞しくなり、技術も磨いて、「見られる」ことを意識する、そこに目標があれば、一人でも出来るのかもしれませんが、僕の場合はまだそこまでは至っていません。かといって、この経験を一回限りにはしたくないなぁとも。
 
これは願望の話ですが、自分の書く同人誌のメインキャラの衣装を着て売ってみたいのはありまして。本を買いに行った時に、レイヤーさんが売ってくれるアレ、僕は結構好きなんです。でも、自分では一生出来ない、することもないと思っていました。
 
でも、挑戦してみることで、やれるかもしれない、と思えたのはとても大きな財産です。仕事だったり、夢にも通づるところで、年々「挑戦」へ億劫になる中、踏み込んで、失敗して、そこから学びを得ていく楽しさを実感できたのもよかった。誘ってくれた、そしてアドバイスをくれた友人たちには大感謝です。
 
***
 
ということで、はじめてのコスプレレポートでした。
ホントは写真のせて「こんな感じです!」とか出来たらいいんですけどね!そこまでする勇気はちょっとないので気になる人はそれとなーくお伝えください。
 
また、特に僕みたいに、男性で、コスプレやってみたいけど……という方がいたら、何かの参考になればと思います。レポート書くなら具体的にどんな商品買ったかとか、どこで注文したかとか書いた方が良いんでしょうけど、僕から言えるのは二つです。
 
乳首にスプレー吹き掛けるのだけはやめましょうね!あと傷付けたあとにうっかりクリーム塗ると大変だから気を付けましょうね!
 
次回は、「街コンで鬼滅の刃知らずに爆死したオタク、ついに鬼滅の刃の最終巻を読む」です。

世にも奇妙な物語 '20 春の特別編 感想

「春の特別編」の感想をまとめていなかったので、このタイミングで感想ブログを上げました。秋の予習も兼ねて改めて見返したので、新鮮な意見もまとめながら、思っていることをぶつけました。

 

「しみ」

正直、「箱」の既視感は拭えませんでした。このシリーズでは、ある程度同じタイプの作品は定期的に生まれるのですが、それにしても、スパンが短かったなあと。。。

 

例として、「聞こえる」「Be Silent」という、ほぼ同じ構成の作品がこのシリーズにはあります。この二つは放映期間が12年程空いていて、「Be Silent」を新鮮に見れる層が多かったのではと推測しています。僕自身も「Be Silent」は小さい時に観てトラウマになった作品の一つなので、10年くらい期間が空いていれば大丈夫そうな気が。それでいくと、「箱」からは5年くらいしか空いてなくて、かつ「箱」のクオリティがめちゃくちゃ高かったので、「ぐぬぬ。。。どうしても『箱』の記憶が消せない!!!」という気持ちが。「箱」を知らない状態で「しみ」を観ていたら間違いなく、「めっちゃ面白い!!!」という評価になってました。

 

だからと言って、この作品が面白くなかったわけではないです。ゴテゴテのホラーなのかな、と思わせておいて、実は脳出血で意識不明の状態だった。。。というオチは、丁寧でかつゾクっとさせられるものがありました。「しみ」に意味があったのがすごい嬉しかったなあと。他にも、CM前のテロップで「しみ抜きの基本は早めの処置です」って出たシーンがありましたね。その時は「ふーん」としか思ってませんでしたが、観終わった後に「あのテロップには意味があったんだ!!!」って気付いたときの謎の高揚感。こういう使い方してくれるなら、あのテロップがあっても良いなあ、と。

 

他、個人的に思ったのは、CGが実写の邪魔をしなくなったことです。CGって、チープなものだと観ててゲンナリしちゃう時があって。でも、「しみ」のCGは恐怖を覚える、リアル感がすごくありました。演出が植田泰史監督なので(CGを作ったのは別の方かもしれないですが)「流石だ!」って思いましたね。

 

脚本が19秋の「恋の記憶、止まらないで」「ソロキャンプ」の諸橋隼人さんだったのも期待度大で、その期待を超えてくれる作品だったので、この一話あるだけで、19秋の特別編は満足でした。

 

「三つの願い」 

惜しい作品ではあったなあと。奇妙作品の中では最長の40分という大作。演者同士の掛け合いも痺れるところは多かったのですが。

タイムパラドックスの扱いってかなり難しく、長編のアニメや映画でも「尺が足りねえ」って言われるケースがある中、この時間でやり切るにはちょっとボリュームが大きすぎたかなあと。

 

自分だったらですが、「事業が上手く行ったり、めっちゃ高いものを売れたからお金が手に入った、その流れで女性とお付き合い出来て、心臓も移植できた」という、「ランプの魔人に願いを叶えてもらっていなくてもそんな未来だったかもしれない」という導線を残してシナリオを書いたかもしれません。

 

とはいえ、この手のジャンルは「これがいい」って思う人がいれば「説明不足だ」って言う人もいるので、個人的にはこれを作ったスタッフさんが満足しているのなら、それが一番かなあと。

 

最後に、心臓を抉り取られて伊藤英明さんが絶命している最後のシーン。あれは演出としてすごい良かったです。過剰なグロさは不要ですが、当たり前の演出ほど、人間って恐怖を覚えるものであると実感しました。

 

「燃えない親父」 

'20春ではこれがMVPですね。

ストーリー、話題性、キャストの方々の掛け合い。全てにおいてマッチしていたなと。当時の杏さんといえば。。。という状況の中「男は死ぬまでスケベじゃ〜」という名セリフが生まれたりして。男のだらしなさへの虚無が詰まった杏さんの顔が最高に良かったです。

 

で、これは僕の中でなんですけど。

 

最近の奇妙って、コメディ系が鬼門になってるのはご存知ですか。。。? ちょっと前まで、いわゆる怖い話や、ブラック味の効いた話が面白くない、と思っていたんですが。結構その手のジャンル群は持ち直してきて、最近は怖い要素をしっかり持ち味に出来ているようには感じます。

 

あくまで僕の中で、ですが、コメディ系で手放しに「これ面白かったな!!!」って言える作品が、「クイズのおっさん」くらいまで遡るんです。それ以降はショート奇妙、という位置付けの作品もあったりしますが、バチっとハマった作品があんまりない印象で。

 

この作品では、ちゃんと「奇妙」な現象が起きていて、そこに対する解決策がちゃんと「クスッ」とさせられてるなと。お父さんが田中みな実さんの写真集を大事にしてたとか、近所のフィリピンパブの女の子に好意を寄せてたんじゃないかとか。普通に考えたらそんなことで成仏できないわけないじゃん、というのが、お葬式という特殊な状況の中で、あり得ない方向に走って行ってしまう。そういうところがシンプルだけど面白いんだなあと。

 

また、このシリーズを観ている人たちは、「不条理さ」には割と寛容だけど「説明できない面白さ」を奇妙では求めてない傾向があるのかなとは思ってます。(「説明できない」には個人差ありますが)

 

「大根侍」はその例で、アレが漫画だったら面白かったのかもしれないんですが、奇妙っていうジャンルのバイアスをかけて観ちゃうと「何やってんだ…?」って思ってしまうのかな。。。と。ホント、今のご時世、このブログがスタッフさんに見られちゃう可能性あるってわかってて書きますが、アレは浜辺美波さんの無駄遣いでした。近いうちにサイコ100倍盛りくらいの浜辺美波さん観たいのでもう一回出演オファーをしてほしいです。。。(他力本願)

 

一個、注文つけるなら、今のご時世ジェンダーに関する演出間違えると炎上しかねないので、それだけが心配でした。(多くは語りません!)

 

「配信者」

これも惜しい作品だったなあと。主人公は自業自得で奇妙な事件に巻き込まれていって。。。中盤くらいまではヒリヒリしてて面白かったんですが。。。

 

途中で配信の視点が変わっちゃったところが、僕はだめでした。。。

あれ、途中までは主人公を追う配信者の視点で配信が続いていたと思うんですが、最後は結構視点が飛んだよなあと。その瞬間に一気に冷めちゃったんですよね。。。

 

オチもまあ、昔やってた「ドッキリチューブ」のおとなしい版みたいな感じで。むしろ「ドッキリチューブ」ってめちゃくちゃ真っ当にきつめのブラック系作品だったんだな、と再評価出来たので、そういう点は良かったかもしれません。

 

と、最後は辛めな感想をつけてしまいましたが、新型コロナウイルスの影響を受けていたことを考えれば、「しみ」「三つの願い」「燃えない親父」この三作を観れただけでも十分お腹いっぱいだったなと。

 

「しみ」「燃えない親父」は違和感なく観れたのが面白く、「三つの願い」も邪推しながら自分の解釈が出来る余白を作ってくれていた点で、嫌いじゃないなと(ジャンル問わず説明過多な作品って疲れちゃうんでね)。

 

あと、ストーリーテラー部分もちゃんと意味があるってすごく大事で。

面白くない特別編って、テラーも何言ってるかわかんない、手抜きに見えちゃう時があるので、こういうところにも見所があるように感じました。

 

そして、ついに今日の夜、世にも奇妙な物語 秋の特別編が放映されます。ほん怖の方でミソが付きましたので、奇妙は何事もなく放映されることを願っています。。。!

やっぱり前田大和とかいう選手を応援してきて良かった話

2020年、横浜DeNAベイスターズの優勝はなくなった。
試合は残っているが、今シーズンの戦いはほぼ終了したと言っていい。ここからは来期を見越した戦いとなるだろう。

シーズン開始後、僕は「前田大和とかいう選手を応援して来て良かったという話」というブログを更新した。例年にない守備面の不安と、打撃面の力強さに思うところがありブログを書いたわけだが、同じ選手のファンにブログ記事を読んで頂き、ホッとした部分はあった。

とはいえ、僕はこう思っていた。

「シーズン終了時点で、ショートのスタメンを柴田選手に『奪われている』だろう」と。

---

結果は、半分当たりで半分外れと言ったところだろうか。

シーズン中盤以降は倉本選手が復調したこともあり、大和選手・柴田選手・倉本選手のローテーションでスタメンが組まれることとなった。
チームがこの結果をどう捉えているかはわからないが、大和選手のファンとしては、まだ戦力として計算されているのだと感じ、安心しているところである。

とはいえ、来年がどうなるかはわからない。
長年ベイスターズを支えて来た、石川雄洋選手の退団が発表された点からも、横浜DeNAベイスターズというチームの方針が見て取れる。30歳を過ぎ、ベテランの域に突入した選手への判断は、非常に厳しいものがある。

石川選手は86年生まれの34歳。
大和選手は87年生まれの33歳(ブログ更新時点では32歳)。
来年の今頃、大和選手の立場が戦力としてカウントされない可能性は、決して低くない。

ただ、贔屓の一ファンとして思うところがある。

まだ、大和選手の力は、ベイスターズに必要であると。

---

DeNAラミレス監督 激痛に耐えて犠飛の大和称賛「素晴らしい仕事をしてくれた」(デイリースポーツ)
https://news.yahoo.co.jp/articles/14c435d67c2d6e27fa9dbe60d2946b6558931666

9/15のヤクルト戦、自打球が左膝に直撃し、その後骨挫傷が判明したため、登録を抹消されるということがあった。
怪我による登録抹消は悲しい出来事ではあったが、自打球を受けた大和選手はその後打席に戻り、犠牲フライを放ったのだ。
身を削るようなバッティングで、僕は泣きそうになった。
そしてやはり、こういうところに「前田大和」という選手を応援したくなる要素が詰まっているのだろうと思う。

負けず嫌いで、試合中は感情を表に出さない仕事人気質なところが、やっぱり好きだな、と。

怪我明けの大和選手は、復帰前と比べてスピード感が戻ってきたように思える。
大和選手が離脱している間に柴田選手・倉本選手が少々息切れしているところだったので、大和選手の存在はまだまだ大きいとわかり、(複雑な気持ちはあったが)まだまだ応援できるのでは、という淡い期待を抱かずにはいられなかった。

---

今シーズンを振り返ると、走塁に例年あったスピード感がなく、守備も不安定さが目立っていた点から、大和選手は足に不安を抱えてプレーを続けていたと推測される。もちろん、それが怪我によるものか、体重の増量によるものかはわからない。そもそも、足の不安というのも憶測の域を過ぎない。原因がどうあれ、安定的に+指標を稼いでいたUZRはリーグ平均を大きく下回っているのは事実であり、チームとしてデータの観点から貢献できていたかと言われたら、首を振らざるを得ないだろう。

一方、打撃は例年になく積極的で、本来プルヒッター気味だったスイングを一貫しているようにも見える(素人目ではあるが)。
10/24(土)の試合終了時点で、

打率.263
長打率.354
OPS.667

という打撃成績を残している。
ちなみに、長打率OPSについては、このままシーズンが終了すればキャリアハイとなる。
また、ホームランを3本打っており、こちらもキャリアハイとなっている。

打者として突出しているわけ成績ではないが、過去のキャリアから見るに、フォーム改造に取り組んだ結果は出ていると見ていいだろう。

また、得点圏打率という点では例年ほどの良さはないものの、8/25(火)のカープ戦でのサヨナラタイムリーや、10/16(金)の巨人戦での逆転タイムリー2ベースなど、ここぞの場面での一打を打っており、勝負強さは失われていない。
お立ち台に上がった時の反省コメントも実に大和選手らしく、渋い働きは要所で続いている。

---

「変えぬ表情の裏側で――大和の知られざる葛藤」FOR REAL-in progress- | 横浜DeNAベイスターズ https://www.baystars.co.jp/column/forreal/200831/

そしてもう一つ。
昨年は一貫してショートを守り続けて来た大和選手が、シーズン中盤からセカンドでの出場機会を増やした。
打撃好調な倉本選手のショート適正を踏まえた判断と言われているが、僕は、大和選手のショートストップとしての限界が来た部分が一因にあったのだとではと推測している。
もちろん、その後もショートでの出場機会はあるため、完全なコンバートというわけではないが、
来期以降は『本来の役割』である、ユーティリティ性の高さを期待しての起用…レギュラー一番手ではなくなるのだろう…と悲観してしまう。

ただ、贔屓ファンとしては「悔しい」ことであり、同時に「安堵する」部分でもある。
良い印象のまま出場機会が減っていき、野球選手としての最後を迎える…本人は絶対それを望まないが、打てない・走れない・守れない…でも、試合には出続けなければならない、そういう選手を応援するのは辛いものがある。
(阪神ファンでもあるので、その辺りは察してもらえると…)

---

残り試合がどうなるかはわからないが、一つ言えることがある。

僕は本当に、大和選手がここまで試合に出てくれるとは思っていなかった。
ユーティリティとして穴埋めして、若手が出てきたらそれで役目は終わりなんだろうな…と。
ただ、この3年間、大和選手は新天地でポジションを掴み、それを簡単に手放さなかった。
ファンの、どこか弱気な期待を、大和選手はずっと、裏切ってくれたのだ。

正直、守備に関しては阪神時代の方が圧倒的に凄かった。
取れない打球がないくらい、それくらい華麗だったプレーは、ベイスターズでは影を潜めているように見える。
でも、その分打って、阪神時代には見れなかった景色をたくさん見せてくれた。
悔しい思いをたくさん感じながら、必死に、全力でプレーしてくれた。

 

今年だって、沢山あった。

散々チャンスを潰し、回ってきた最終打席で初球を見逃さなかった、サヨナラタイムリー。
嬉しさより、安堵の表情を浮かべていた大和選手の顔が忘れられない。

先日の逆転タイムリーも。満塁のチャンスで三振したことを「しょーもない」と言った大和選手が、やっぱり好きなんだなあと。(その後、佐野選手が乗っかったところも好きでした)

2年ぶりのセカンド。
センターに抜けようとした打球を取って、グラブトス。
華麗なセカンド守備に、阪神時代に感じていた熱さが再び宿った。

先程も書いた、自打球を受けての犠牲フライ。
今年、大和選手のプレーで一番心が動いたシーンを挙げるなら、間違いなくあの一打だ。

試合中は表情変えず淡々と渋いプレーを重ねるのに、オフショットではお茶目で。
あと、いつからかヒットを打ってベースに立った時、リストを噛む癖がついていることも、ファンなら見逃していないだろう。あれ生で見たくて仕方ないな…とか。

 

そんな、色んな想いをくれた贔屓の選手に出来ることは一つ。
最後まで応援することだ。

時には厳しい言葉をかけてしまうかもしれない。
歯がゆさを感じる時はあるかもしれない。

一軍で活躍出来る期間は、そう長くはないだろう。
でも、今年の活躍は大和選手の選手寿命を伸ばしてくれたと信じたい。

---

僕は、1年ぶりに横浜スタジアムへ行くことを決めた。
その試合に大和選手が出るかはわからないが…。

今年もたくさん力を、勇気を貰った選手。
この目にその姿を焼き付けられるように。