水曜日のダウンタウンがまた燃えている
前置きとして、僕はあの番組が好きです。
確かに、倫理的にどうなの？と思う回はあるのですが、「先生のモノマネ プロがやったら死ぬほど子供にウケる説」や「「箱の中身は何だろな？」得意な芸人No.1濱田祐太郎説」など、肯定的に受け入れられる回も多く、テレビを観なくなった今でも、この番組は熱心に観ています。
ちょうど今週、番組内の企画で散々悪行を繰り広げてきたクロちゃんが、視聴者の投票によって何時間牢屋みたいなところに閉じ込められるかという「あっ、これ絶対炎上するな」という放送がありました。そして、そんなクロちゃんをとしまえんで一般公開したところ、人が殺到し公開中止となったようで。「やっぱりな」という結末を迎えました。
企画に対する意見はそれぞれあって、僕としてはその意見も含めて、一種の社会実験だなぁという感覚でいます。その是非は置いておいて。
ただ、一個だけ。
個人的に引っかかる意見があります。
「こんな企画をやってる、それに参加してる日本（人）ってやばい」
みたいな、ネガキャン。
言いたいことはなんとなくわかるというか、こういう企画をしてしまう、そしてその企画に乗っかってしまうのは「国民性によるもの」と思っている人が一定数居て、その人たちからすると、大変理屈の通った意見なのだと思います。
ただ、これはあくまで僕の意見なんですが。
一回、同じようなことを色んな国でやってみて、その結果を踏まえた上で今回みたいな騒動が日本でしか起きなかったら、僕は「あー、日本ってなかなかやばい国だなぁ」って言えるかな、と思うんです。
僕はアメリカとか、ヨーロッパでこのような企画をやったとは聞いたことがないので、比較して「日本やばい」とは言えないなぁと思うわけで。
あ、頭ごなしに日本やばいって言ってる人を否定しているわけじゃないですし、この国で生きていることを手放して喜んでいるわけでもないですよ？ネトウヨではないと信じたい笑
ただ、最近思うのは、自分の経験と知識に基づいて話の主語を大きくすると、どんどん視野が狭くなっていくなぁということなのです。
先日、男性オタクは女性向けジャンルに誤解持ってることが多いよね、というブーメラン記事を書いたばかりなのですが。
結局それも、僕が話したことのある男性オタクの情報と、僕が知っている女性向けジャンルの知識を再構成しただけで、その正しさなんで本来ないはずなんです。人間には色んな視点があるはずなので。
だから、「自分はこういう経験がありました」というベースで「自分みたいに感じる人もいますよ」という意見表明くらいに留めておくと、聞いてもらいやすし聞く側も嫌な思いしないなと。なんで男ってだけでとやかく言われないといけないんだよ、みたいな争いの火種なくすことができるんで。
話を戻しちゃうと、結局、その人が見る世界の「日本」と、僕が見ている「日本」という世界はかち合わなくて、そこではどうしても意見が対立してしまうし、見ている世界が違うので、話をしても平行線で終わっちゃうことの方が多いような気がします。それはその人と僕が、自分の経験と知識で「日本」という国を構成しているから。
これが、例えば「クロちゃんに非はあったとして、この企画はやり過ぎ」という意見であれば、そこに対して「どうしてそう思うか」「どうすればよかったか」という話に繋げられます。
「こんなことやってる日本やばい」という意見に発展すると、今回の問題は「クロちゃんの企画のせいで周りの住民に迷惑をかけた」ということのはずなのに、統計のない国民性を正す必要性に行き着くだけで、なんの問題解決にも繋がらないような気が、自分はするんです。それに僕は日本人ですしあの番組も見てましたがあそこに行こうとは思いませんでしたもん。なのに、「日本人の悪いところ出てたからキミも気をつけてな」って言われても、「はぁ？」ってなっちゃいますよね。だって僕は行かなかったんですもん。連帯責任みたいな感じでやだなぁって。
仮に、あの場に行った行為を「悪」と定義するなら、悪いのはあの場に行った人ですよね。でも、そうはならないっていうのはわかります。
どうしても人はマクロ的視点で物を見てしまう。
親は往々にして理不尽で。
先生も往々にして理不尽。
金持ちはがめついし。
関西人はガサツだし。
みたいな。
僕は、なるべくそういう視点に陥らないよう気をつけたいなと。それはとても難しいけれど。出来てないことの方が多いけど。
そういう気持ちを持っておかないと、足元に落ちている、「本当に変えなきゃいけないこと」に気付かない気がするので。
まあ、自分含めいろんな意見が炙り出されることは、悪いことではないと思います。あの番組は変わらず、普通の人が考えないことをやってほしいなと僕は思っています。いつも自分を見つめ直すきっかけをくれるので。
なお、クロちゃんの恋愛観は、僕はちょっとわかりませんね。
