いっそ男でありたかった。

子供のころ、戦隊ヒーローより魔法使いの女の子にあこがれていて、ジャンプは一切読んでいなかったけど、たまに妹が買ってくるりぼんを読むのが楽しかった僕。

 

27歳になってようやく、それが生き辛い選択だったのだと気付きました。

 

世間では体の性別と心の性別が違うことで、苦しんでいる人がいることは知っています。しかし、僕は自分が女性になりたいと思ったことはあまりありません。それに、今までの環境では(たまたま)自分のような性格を受け入れてくれる、恵まれた環境に居たため、自分のことを真剣に考えることがありませんでした。

 

ただ、ここ2,3年で、少しずつですが考える機会は増えました。

 

オタクになってからしばらく。男性キャラを好きになることはあっても、女性キャラを好きになる(物語上好きになっても、同人誌やグッズを買うくらい好きになる、という意味)ことはありません。家に増えるのは男性キャラのグッズばかりで、書く二次創作も男性キャラのものばかりです。

とはいえ、いざ三次元へ目を向ければ、僕は好きな女優さんが出るドラマを見て、好きな女性アイドルを応援しています。僕の趣向が二次元・三次元で分かれているだけであり、なんの問題もないと思っていました。

 

ただ、こういうのって人によっては、「男なのに」男性キャラが好きだ、という風に捉えられるじゃないですか。自覚はしているつもりだったので気にしていなかったつもりが、結構傷ついていることに気付いたのは最近で。

そういうのをわかってるので、僕も自分が弄られるネタとして使い始めます。きっと、周りもそれで弄っていいもんだという流れで、僕を弄って一つのコミュニケーションとして成立します。

でも、それって僕の大事なものを削りながら提供しているコミュニケーションなんです。だから、僕自身は辛くなってくる。やめてしまおうと思った頃には、僕自身が「弄られてひっそり悲しむ自分」に酔いしれている……悲劇のヒロイン的な、そういう状況に至っていることを思い知って、途方に暮れるわけです。

 

まあ、オタクの趣向によるものだけであれば気にはなりませんが、自分の振る舞い・行動で「女性的」と言われたり、「男っぽくない」と言われるのは、本気でも冗談でも結構悩ましいことで。バレンタインデーにお菓子を配ったら「ロボさんに貰ってもなあ……」って言われたり。そういうのって冗談で面白い話題になると思って言ってるんですかね。まあ、そういうことを言われる覚悟はいつもするんですが。

 

だから、最近は強く思います。一般的に言う男でありたかった。オタクとしては女性キャラが好きで、タペストリーもフィギュアも全部女の子で集めたかった。男キャラが好きな男性オタクに対して「もしかしてそっち側なの」って冗談でも言える立場に立ちたかった。

 

まあ、そんな男の人が世の中で一番、嫌いな人間なんですが。

特に結論はなく、自分の願いもない記事ですが。

強いて言えば、「らしくなさ」で悩んでいる人が居たら、お互い強く生きていきましょう、というところでしょうか。

ホント、男に生まれたかった。